コラム
2024年を振り返る
今年はリフォーム・リノベで始まりリフォーム・リノベで終わる一年でした。
とはいえ、それは数年前から動きとしてはあり今年はそれがより顕著にみられたという感覚です。
私たちは社内でこれはしないと決めていることがあります。
それはリフォーム・リノベどちらにも言えることですが、部分改修のご依頼であってもその時にしかできないことはお客様にお伝え、もしくはこっそりやるということです。
例えば、「キッチンを直したいです」というご依頼があったとします。
なのに、最初のお打合せで断熱のお話をします。
お客様は「?」と、なることもしばしば。
ここで、もし信頼していただけていない場合には営業して値段を吊り上げるつもりかな?と、思われる方もおられるでしょう。
でも、そのリフォームのタイミングだからこそ出来ることをお伝えしないわけにはいかないのです。
お客様にとっての本当の“よかった”は工事の後にあるからです。
たとえ、キッチンがきれいになったとしても、暖房であたためて断熱がしっかりしていない部屋では、ゆっくりとくつろいで過ごすことができません。
暖房を切ったら即座に部屋が寒くなるのに長居はできないですよね。
このお客様は工事後「朝起きて、暖房のスイッチを切り忘れたかと思いました。」と感想を教えてくれました。
断熱があまりポピュラーなワードでないため、お風呂の改修などではお見積には入れているけれど説明は後で、という場合もあります。
やらなくていいです。と言われるのを防ぐための策です。
お風呂の工事なんて次は何十年後になるかわからないのに今断熱をやらないでどうするんですか?と社内ではみんな思っています。お風呂を変えればあったかい、とは限らないのです。
そんなことをやっている、私たちですがお客様のためを思ってお伝えすることもうまく届けられずにいると感じる時があります。
そのときの必要なことに集中したいというお気持ちもわかります。
なので長期的に見て、今はこれが大事、もし次のタイミングがきたらこれ、と考えてもらえると良いなと考えています。
家は自分の代だけで終わりではないですから。
こんなことを考えながら数年過ごしてきました。
そんな折、私が生まれ育った建物を直して使おうかという案が持ち上がり今年工事に着手することになったのです。
古い家は壊した方が良いなんて言葉を聞くことがありますが、壊した方が良い家とそうでない家があることを私たちは知っています。
もし、今のお住まいを、ご親族から受け継いだ建物をどうしようか?と考えるタイミングでしっかりとリノベーションした建物があることを知ればこんな選択肢もありだよね。なんて思っていただけるかな?
建物が建てられ、今まで使われてきた時間も含めてこれからの世代の方に引き継いでいくお手伝いができたら。
ワクワクした思いで一年お仕事をしていたら、年末嬉しい出来事がプラスされました。
新建ハウジングという建築向け業界紙に私たちの取り組みが紹介されたのです。
UA値0.26W/㎡K、想定C値0.2㎠/㎡ 古民家をリノベモデルハウスに | 新建ハウジング
新建ハウジングDIGITAL読まれた記事ランキング2024でなんと3位になりました。
建築を携わる皆さんもお客様もすべての人が関わる住まいという悩み、これからの課題。
一歩踏み出すことで解決に近づいて行けたらと思います。