コラム
祖父の想い
「ミシミシという音がして雨もりしたんだよ。」「草屋根の家はしなってとても中にいられる状態ではなく、家族9人で竹やぶの小屋に逃げたんだ。」
防災の意識が高まるこの時期、おばや私の父は怖かった記憶をまるで昨日のことのように話してくれます。1959年(昭和34年)9月伊勢湾台風のことです。
この地で独立した祖父は父親と一緒に大工として建築業を営んでいました。カッコよさよりも丈夫さを地で行く頑固者の祖父。丈夫な家の大切さを身に染みてわかっていたのかもしれません。
その後、草屋根の家から瓦屋根の家に建て替え、家族で暮らしていました。60年経った今年、その瓦屋根の家を屋根と柱だけを残して改修しました。
ひとつひとつ家を分解していると、なかなか外れない部分がありました。”ほぞ”という木と木を組み合わせる部分がしっかりとしていて、なかなか外れなかったのです。家が建って60年を経て気づく、祖父の想い・・・。
「建物は人よりも長生きするんだよ」と、祖父に改めて教えてもらった気がしています。
庭
コラム
私はコラムを読むことが好きです。
短い文章の中にあるストーリーや書いている人の背景などに想いを馳せながら読むことで
頭の中に世界が広がります。
特に食べ物系、クスッと笑えるようなもの、でも奥にある書いている人の考え方に共感できるものなどが
好きなのだと最近気づきました。
ある時、ご縁をいただき地域情報誌に文章を書くことになりました。
心がけているのは、なるべく自分の体験したことで文章を綴ることです。
そして深刻になりすぎないこと。
日々、いろいろなことにとらわれそうになる気持ちを抑えて、平たんに少し幸せを目指していると
不思議と日常もそうなっていく気がします。
小さな幸せに気づけることが、自分も周りの人にも良い状態を保つ秘訣なのではないかと。
私にとってコラムは読むのも書くのも日常を少しだけ楽しくするための大切なアイテムなのかもしれません。
またどこかで私と雑談してくださる方がいらしたら、こんな話題でお話がしたいです。
そうしたらまた少しだけ幸せになれそうです。
手づくりのすすめ
本の紹介 「手づくりのすすめ」自然食通信社
”自分でつくれば安心、無添加本物の味と香りに出会えます”という言葉通り、
中には豆腐、しょうゆ、みそなど毎日の食卓を彩るものから、おまんじゅう、そばなど
個人で作られている方のレシピ解説、地方の風土からしか作ることのできない食べ物まで掲載されています。
じっくり手間と時間をかけて、今そこにある素材から生み出される食べものには昔の人たちの工夫や
楽しみが詰まっています。
私は食べることも作ることも好きです。
年齢を重ねて、体は食べたものでできているのだなぁと感じたとき、
毎日使うものはより健康でいられる食材や調味料であってほしいと思うようになりました。
この本は、1987年初版で2021年に改訂版が出ています。
あとがきで「私たちの暮らしは、なんと遠いところにきてしまったかと、・・・」という言葉に頷いてしまいます。
暮らし方が変わっても、食べ物が体をつくっていること、
それが健康につながっていくためには少しの手間は必要。
そんなことを教えてもらった気がします。
ハンバーグ
私の母は大家族のご飯を作りながら畑仕事や、大工をしていた父の手伝いなどで毎日忙しく働いていました。
家族が10人を超えた時代は、夕食は、食堂で入れ代わり立ち代わり食べる方式、
よく出てきたメニューはマルシンハンバーグ。
ひとつひとつ紙をはがしてフライパンで焼くスタイルで、レトルトハンバーグなどが登場する前の時短レシピでした。
煮物などもあったかと思うのですが、なぜかマルシンハンバーグの存在は忘れることはできません。
ハンバーグがひき肉から作ることができると知ったのは中学か高校の調理実習の時。
「おいしい」と感動しました。
「食べたいものは自分で作ればいいのだ」と気づいた私は料理をすることが楽しくなっていくのでした。
友達や妹に「おいしい」と言われ調子に乗って作ったいたあの頃を思い出す時、
本当は忙しい母をもっと助けることができたのかな?と思うことがあります。
時間通りに家族のご飯をつくることは、大変なことです。
それが大人数になればなおさら。
あたりまえをありがたいと思えるようになるまでに少し時間がかかりすぎてしまいました。
忙しいのに立ちっぱなしで料理を作ってくれていた母を、今ならもう少し大切にできるかもしれません。