コラム
旅の目的地
主人と旅行に行くというと何人かの方に驚かれます。
先日は鹿児島に行った際、一度訪れてみたいと思っていた場所がお休みで最終日に再度訪問することになりました。
それは“かごしま近代文学館”。
鹿児島と縁のある作家さんたちの展示があります。
目的は向田邦子さんの展示です。
以前仕事で鹿児島を訪れた際に、知らなかったとはいえ立ち寄れなかったことが悔やまれた私は行ってみたい気持ちが抑えられず念願かなっての訪問でした。
小学生の頃それも二年間しか住んでなかったのにも関わらず、向田邦子さんは館内で特別扱い、常設展示室がありました。
エッセイに出てきたソファーや、本人の声の留守番電話、インタビューの映像など時間を忘れて満喫することができました。
本当に時間を忘れて長居してしまい、その後の行程がずれ込んでしまったのですが、それもよい思い出です。
ずれ込んだのは主人の行きたかった場所でした。
ここでひと悶着ありそうなところですが、私は気楽なもので満足、満足と帰路についたのでした。
だからですかね、一緒に旅行に行くことができるのは。
↑桜島(右)と向田邦子さんが小学生の時に暮らしていた居住跡地の碑(左)
薪で焚く
私の母方の実家は平成になるまで薪で焚くお風呂でした。
家の軒先には薪が積んであり、そこから薪を運んでお風呂を焚くのは
一つ年上のいとこの役割りでした。
井戸水も利用していました。
山間部なので水道の整備は私たちの住むエリアより後の時代だったのか、
「お水は大切なもの」そんな考え方でした。
なので、お風呂の水は毎日変えるという感じではなく…。
お風呂と脱衣所の間に一つだけ電球がついていて、湯気で“もや″がかかった中で
いとこと湯船に入るのは私の楽しみの一つでした。
お風呂に入ってから寝ると体がホカホカと暖かく、寒い夜も気持ちよく寝られます。
毎日のルーティンではなく「なんだかとてもありがたいこと」「貴重なこと」
という感覚がありました。
今では携帯を見ながらとか、シャワーだけとか、いろいろ聞きますが、
お風呂に入るということを“幸せな時間を過ごす”と考えると、
毎日のなんでもない時間が豊かになるのかも知れません。
↑ この薪ストーブはコラムとは関係ありませんが、薪ストーブは身体の芯から温めてくれる優れもの!
薪ストーブを満喫できる季節は、もうそこまで来てるかな⁇
また会いたいと思う人
今日は豊田市の北部で土地の杭を探していました。
お客様からのご依頼は外構工事です。
あまり知られていないのですが、外構工事のときお隣との境界杭があるかないかはとても重要になります。
ブロックが自分の敷地からはみ出てしまってはいけないですからね。
外構工事のご依頼で現地に行くと、境界の杭は見当たりませんでした。
お客さんは、中古住宅を一年前に購入されたのに杭がわからないのは不動産の取引的にもレアなケースです。
「まずは杭を探して、外構工事はその後ですね。」
ということで杭を探すことに。
とは言っても、草むらの中でその場所にたどり着くのも高低差があり困難を極めましたが・・・ありました!
お客様、お客様の娘さん、そのご主人が頑張られた結果、見つけることができました。
その後、お客様が作られたお漬物をいただき、今後どんな風に家のまわりをしていきたいかのお話を伺いました。
ご家族の様子や、お客様のタフなお姿にほっこりして帰ってきました。
それはお客様がとても高齢だけれども普通に暮らしておられて、離れて暮らすご家族も暖かく見守っておられたからなのかなと思いました。
またお会いしてお話を伺いたいと思うご家族でした。
また今後ともよろしくお願いします♪
習い事
私は6歳から26歳まで、習字を習っていました。
そこはお寺で先生は庵主さん(尼寺の住職さんのこと)でした。
同じ場所で大人の方も習っておられ、大人になっても教室に通うことに違和感はありませんでした。
年に一度展覧会があり、習っている生徒さんがみんな出展するのですが、
普段半紙に書いているものとは違った文字を習うのは楽しみでもありました。
大人になってからは、お花も習い展覧会には習字と一緒に出展していました。
着物を着たり、お抹茶をお出ししたり。
みんな楽しい思い出です。季節の決まり事なども庵主さんに教えていただいた気がします。
年齢に関係なく同じ場所で習い事をするということは、時には厳しく時には自然に大人になってから必要な事を学べる機会だったのかなと。
今ではその教室ももうありません。
もし庵主さんに会えるのなら「たくさんの経験をさせていただきありがとうございました」とお礼が言いたいです。
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これはしません
私たちの会社で「どんなことがあってもこれはしない」と決まっていることがあります。
それは“後からはできないこと”をやらないで済ますことです。
新築の場合それは
基礎工事の下の地盤補強であったり、建物の構造強度であったり、耐久性に関する部分であったりします。
リノベーションやリフォームの場合には、
ひとつの例を挙げると塗装工事の下地の部分があります。塗装工事は塗装そのものよりも、下地の状態に応じた処理が大切になってきます。
時には塗装だけでは処理しきれず、大規模な修繕を提案しないと長期的に見てまたお金がかかってしまうというケースもあります。
そんな時、「そんなにかかるの?」と思われることを提案しなければならないことがあります。
塗装工事は価格競争のような時代で、かなずしも私たちの提案が安くない場合があります。
でももしその下地をその場しのぎで一時的に直して塗装をしたら、将来今施工する塗装さえ無駄な支出になってしまいかねません。
なので私たちは、“後からできないこと”は“今提案”することにしています。
もし何か家のことを考える機会にこのことを思い出していただけましたらと思います。