コラム
手づくりのすすめ
私はどうも“手づくり”という言葉に引き寄せられる習性があるようです。
“手づくりのすすめ”という本には豆腐、みそ、しょうゆ、こんにゃく、パン。麹のつくり方も書いてありました。
昔はその土地それぞれの採れたものをどう保存し、おいしくいただくかということを試行錯誤し、できたものがいまの私たちの食生活のルーツになっています。
お盆休み、初めて味噌をつくってみました。一か月ほどしたら様子を見ると書いてあったのでその時を楽しみにしています。
私たちの家づくりもどこか手作りの要素を忘れずにいたいと考えています。
機械的にできることの良さもあるかと思います。
でもひとつその人の工夫であったり考えが入るだけで永く使えたり、味わいが出たりすること。
そんな“手づくり”の考え方を大切にしたいし、残していきたいとこの本を読んで改めてそう思いました。
夏を旨とすべし
“家のつくりやうは夏を旨(むね)とすべし”
鎌倉時代の随筆集にある一節です。
私は「開放的な間取りで通風をよくしよう」という意味にとらえてますが、
現代風“夏を旨”とはどうしたら良いのでしょうか。
クーラーも扇風機もない時代、暑い室内にそよぐ風は貴重。
かつて日本の住宅ではいかに室内に風を呼び込むことができるか考えられてきました。
京の町屋ではウナギの寝床のような縦に長い建物で、表通りから裏手にある中庭まで土間が通っていました。
中庭は外部に面しているので、風は室内を抜けて中庭の空に向かって上空に動くイメージです。
現代の住宅でそのように風が動くかというとなかなか難しいかと思います。
ですがクーラーだけに頼った冷房はどうも気が進まないという方も・・・。
そんな時は昼間の暑い時間帯に家じゅうの窓やカーテンを閉めてどこかの部屋のクーラーを一台だけ使ってみてください。
『ゆる全館空調』です。
クーラーが苦手な方は、直接の風が苦手なのだと思います。
この方法で少し暑いようでしたら、使用するクーラーの台数を増やしてみる。
よく使うスペースだけでも同じような温度にできたら部屋を閉め切らなくてもよくなり、
クーラーの直接風にあおられることも少なくなります。
まだまだ暑い季節は続きます。
よろしければお試しください。
体感してもらえたら
先日、窓の工事を終えたH様が事務所に来られてお話をする機会がありました。
その方は昨年末、国の補助金を利用して内窓設置をされたのですが、内窓を設置していない箇所が気になり
今年度は別の箇所を豊田市の補助金を利用して工事されたのでした。
ご自身が検討されている段階から、お知り合いを何人もご紹介いただきご縁を頂けた事を
お会いしてお礼を言うことが出来ました。
「中村さん(現場監督)がすぐに動いてくれるから安心して紹介できたよ。」と
嬉しいお言葉をいただきました。
今、国や自治体では家庭の省エネ改修工事に向けた補助金がとても充実しています。
それは、住まい手さんの「快適で省エネな暮らしに大きな効果がある」ので、優先的に進めているということに他なりません。
でも、私たちが快適で省エネな暮らしの効果がありますよとお伝えしても、なかなか届かない事もあります。
そんな時、内窓設置した家を体感された方からの声は分かりやすく受け取っていただけたのかなと思いました。
家の床、壁、天井、窓の断熱は家の暖かさや涼しさを保つ効果があります。
一人でも多くの方にそれを体感していただけたら嬉しいです。
H様、たくさんの方に声を届けていただき、ありがとうございました。
また感想をお聞かせください♪
↑ 内窓設置後の出窓はこんな感じになりますよ!
自然の力も借りて 快適で心地よい暮らし
昨年の2月、研修で北海道のある建物を見学する機会がありました。
その家が建てられたのは約40年前。
北海道大学名誉教授の故・荒谷登先生のご自宅です。私はその家の玄関に
一歩足を踏み入れた時の気持ちを今も忘れません。
外は大雪でしたが、二つのドアを開けて入るともう玄関から暖かかったことを覚えています。
断熱ドアやペアガラスのない時代にドアを二つ取り付けたり、ガラスを三枚入れてトリプルガラスにしたり、
間取りや空気の流れる工夫で家全体の温度を一定に保つ工夫をされた建物はとても心地の良いものでした。
例えば夏は壁・床・天井や窓の断熱強化をしたり、すだれやタープで暑い日差しを家の中に入れないことなど、
ちいさな工夫で効果的な冷房をすることも可能になります。
気を付けて欲しいのは外が暑いときに窓を開けると熱気が入ってしまうということです。
窓を開けるのは室内より屋外が涼しいときに。冷暖房だけに頼るのではなく、
自然の力も借りて快適で心地よい暮らし、してみませんか?
※「住まいから寒さ・暑さを取り除く」荒谷登 著 彰国社 刊
草取り
今の季節、多くの方が頭を悩ませている草取り。
我が家の庭の草取りは、毎年遅れをとっていて草が伸びる速さに追いついていません…。
一度にまとめてやろうとするとそんな時間は取れない、
決めた日にお天気に恵まれず断念、そして元気に草は伸びてゆく。
でも庭のある幸せを捨てきれない私は草取りを頑張ることに決めました。
以前ガーデナーさんに教えていただいたポイントは〝足元すっきり”です。
木や草花があっても、それ以外の部分がすっきりしていると庭が見違えるように輝いて見えるのです。
草取りには心の余裕も必要です。焦るとぶちぶちちぎれてすぐまた伸びてきてしまうので心を落ち着けて
草を引くようにした方がきれいが長持ちします。
手袋や草取り用の道具も使って、庭の草花は残しつつ樹木の下枝も払います。
仕上げに熊手で枯れ葉も集めて小さな竹ぼうきで掃き掃除。
今年は少しだけ早めに草取りができました。
隙間から見えるどくだみの花もどこか誇らしげです。
玄関から庭を望むと足元すっきり、木の陰影もくっきりしてどこかに旅行に来たようです。
草取りは大変ですがその見返りはたくさん。窓からの景色と心の豊かさ、そしてなにか良いものが
風に乗ってやってくる予感♪なのかもしれません。
↑ 事務所周りの草刈りをしたら、ようやく日の目をみたパンダ…なんかゴメンね