コラム
自然の力も借りて 快適で心地よい暮らし
昨年の2月、研修で北海道のある建物を見学する機会がありました。
その家が建てられたのは約40年前。
北海道大学名誉教授の故・荒谷登先生のご自宅です。私はその家の玄関に
一歩足を踏み入れた時の気持ちを今も忘れません。
外は大雪でしたが、二つのドアを開けて入るともう玄関から暖かかったことを覚えています。
断熱ドアやペアガラスのない時代にドアを二つ取り付けたり、ガラスを三枚入れてトリプルガラスにしたり、
間取りや空気の流れる工夫で家全体の温度を一定に保つ工夫をされた建物はとても心地の良いものでした。
例えば夏は壁・床・天井や窓の断熱強化をしたり、すだれやタープで暑い日差しを家の中に入れないことなど、
ちいさな工夫で効果的な冷房をすることも可能になります。
気を付けて欲しいのは外が暑いときに窓を開けると熱気が入ってしまうということです。
窓を開けるのは室内より屋外が涼しいときに。冷暖房だけに頼るのではなく、
自然の力も借りて快適で心地よい暮らし、してみませんか?
※「住まいから寒さ・暑さを取り除く」荒谷登 著 彰国社 刊
草取り
今の季節、多くの方が頭を悩ませている草取り。
我が家の庭の草取りは、毎年遅れをとっていて草が伸びる速さに追いついていません…。
一度にまとめてやろうとするとそんな時間は取れない、
決めた日にお天気に恵まれず断念、そして元気に草は伸びてゆく。
でも庭のある幸せを捨てきれない私は草取りを頑張ることに決めました。
以前ガーデナーさんに教えていただいたポイントは〝足元すっきり”です。
木や草花があっても、それ以外の部分がすっきりしていると庭が見違えるように輝いて見えるのです。
草取りには心の余裕も必要です。焦るとぶちぶちちぎれてすぐまた伸びてきてしまうので心を落ち着けて
草を引くようにした方がきれいが長持ちします。
手袋や草取り用の道具も使って、庭の草花は残しつつ樹木の下枝も払います。
仕上げに熊手で枯れ葉も集めて小さな竹ぼうきで掃き掃除。
今年は少しだけ早めに草取りができました。
隙間から見えるどくだみの花もどこか誇らしげです。
玄関から庭を望むと足元すっきり、木の陰影もくっきりしてどこかに旅行に来たようです。
草取りは大変ですがその見返りはたくさん。窓からの景色と心の豊かさ、そしてなにか良いものが
風に乗ってやってくる予感♪なのかもしれません。
↑ 事務所周りの草刈りをしたら、ようやく日の目をみたパンダ…なんかゴメンね
キッチン
家の打合せの中でキッチンやリビングというのは大きな比重を占めるものですが、リフォームというと尚更。
今までこうだったからこうしたい!という想いがご家族の中で地層のように積みあがって、本当にやりたいことを見つけ出すのは至難の業。
だから何かを変えようと思った時のきっかけはとても大切なのです。
〇ご主人が単身赴任から戻ったから。
〇寒くてキッチンにいられないから。
〇片付け、掃除を楽にしたい。
そんなご要望のご家族。
リフォームが完成したとき、出来上がったキッチンでご主人がコーヒーを淹れてくださいました。
一番難航したのはキッチンのレイアウトでしたが「いつもキッチンに立つお母さんを見ているよ」という娘さんの一言でそれまでと同じ位置に収まることに。
その代わり収納のレイアウトを変え一角にご主人のコーヒーカウンターをつくりました。
「片付けが楽に、暮らしやすくなりました。」と奥様に喜んでいただけたのは、最初の想いを忘れずあきらめずに伝えてくださったからだと思っています。
家の中で女性が笑顔なことは家全体が明るくハッピーであるということ。その場所にいることが楽しいと思える空間をつくっていきたいなと日々思うのでした。
お母さんは30点
もし、自分に点数をつけるとしたら何点をつけますか?
私なら、お母さん部門では高得点は狙えないなぁと思います。
毎晩晩ご飯をつくれるわけではないし、掃除は気が向いた時しかしないし、子供からの頼まれ事も忘れる方が多いし・・・。
でもそれは世間一般のお母さん像を思い描いた時の点数。
我が家基準で高得点ならいいのでは。
「晩ご飯が美味しい」とか
「掃除機かけたね。」と言われたり、決まった時間にちゃんと迎えに行けたりするだけで、私できてる!と思います。
でも、忘れないようにしているのは私が30点でいさせてもらえる家族がいること。
残りを誰かが補ってくれている。子供本人だったり、主人だったり。
できない人がいれば、周りはやらざるを得なくなる・・・。
優先順位は好きな家事からになるので家族はいい迷惑だと思うのですが。
家事や仕事、子供さんの進学などで毎日の暮らしに変化の多い季節です。
周りの人たちに感謝して笑顔を忘れずに。
高得点を狙わない自分を目指してみてはいかがでしょうか?
木の匂い
最近気づいたこと。
私は物心ついた時から木の匂いに囲まれていました。
家の前にはトタン葺きの作業場があり、内装に使うための木を削る機械にいれるとギュイーンという音がして、集塵機のなかにおがくず(木のくず)が集められます。
それは杉やヒノキの混ざった匂い。
父親が作業場の隣で丸太の皮をむくと松の匂い。
母親は上棟前に柱に紙を巻いていました。それは運搬中や工事期間中、柱を守ってくれる紙。紙を巻くのに使う《ふのり》という海藻由来の糊を柱に付ける時のヒノキの匂い。
生活のなかに溶け込んでいたから気づきませんでしたが、木の匂いに囲まれていたようです。
それは手作業から生まれる匂い。
職人さんや父や母が作業する匂い。
懐かしく、心地よく記憶に残っています。
分業化が進んで、手作業で加工することも減りましたが、まだおがくずの匂いだけは嗅ぐことができます。
家をつくる仕事から木の匂いが無くなりませんように。
そして、家をつくる仕事からは木の匂いがしますよと、伝えることのできる私でいたいと思います。